■公務優先、オンライン選挙に意欲
任期満了に伴う7月5日投開票の都知事選に再選を目指して出馬を表明した小池百合子氏(67)。12日夕に行われた記者会見では、政党推薦なしで圧勝した4年前の『原点』に立ち返ることを強調し、新型コロナウイルスと共存する時代に、オンライン選挙のモデルケースをつくる考えも示した。主な一問一答は次の通り。
--なぜ今日の表明か
「補正予算が成立し、東京アラートを解除でき、休業要請のステップを2から3に変えた。新型コロナウイルス対策では都政として一段落はできたと思い、本日とさせていただいた」
--選挙戦で政党の推薦や支持を求めない理由は
「4年前は推薦はどこからもなく、一生懸命『東京大改革』を訴えた。改めて原点を振り返りながら、2期目の改革について都民の声をうかがいたい」
--4年間で最も印象に残っているのは
「新型コロナウイルスだ。感染の速さについては本当に対応に苦労した部分もあった。経済も社会もひっくり返し、会社や学校をすべて止めてしまうような事態に直面したことは、進行形ではあるが、一番大きなことだと思う。それだけに引き続き対策に努めていかねばと思っている」
「受動喫煙防止や都道の無電柱化など、国政で十分できなかった部分を実現してきた。東京を変えていくことは日本を変えていくことにもつながることを体感した4年間だった」
--都民ファーストの会との都議補選での連携は
「今回の選挙戦は公務を最優先にして、コロナ対策など喫緊の課題に当たる。応援については、私自身が街頭に出ていって人が集まることは、『3密』を言い出している私がそれを行うのは難しい。これからのオンライン選挙のモデルケースをつくることにもチャレンジしていきたい」
--東京五輪パラリンピックについて
「課題はたくさんあるが、今から中止と言うのではなく、コロナに打ち勝ち、東京と日本が安全な都市であり国であるという証左を積み上げていきたい」
--4年前に掲げた「7つのゼロ」の自己採点は
「何点かは都民に採点いただくものと考えている」
--スギ花粉ゼロ、満員電車ゼロなど、知事になって無理と思ったものは
「どちらも都民の要望は非常に高い。スギ花粉は百年の計ではあるが、花粉の少ない木にだんだんと入れ替えており、これからも着実に進める。通勤電車は満員電車に急に戻っているわけではなく、テレワーク率が跳ね上がり、通勤の『通』が『痛』であるようなことを変えていくきっかけができた。労働法的なテレワークの位置づけは国のテーマでもあり、2つのテーマは引き続きいろんな所と連携しながら進めていく」
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都知事選にはほかに、元日弁連会長の宇都宮健児氏、熊本県前副知事の小野泰輔氏、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏らが立候補を表明している。