SBIが記者に抗体検査 会見前、過剰対応の声も

 SBIホールディングスが8日に開いた記者会見の前に、新型コロナウイルス感染対策として、参加記者に対し、採血して感染歴を調べる抗体検査を求めていた。検温を求める省庁などはあるが抗体検査は異例。検査の信頼性に疑問もある中で「過剰な対応」との見方が出ている。

 会見は東京都内で開き、北尾吉孝社長が地方活性化に取り組む新会社について発表した。SBIによると、報道関係者ら15人が会場の受付で抗体検査を受けた。感染歴を示す陽性反応が出た人はいなかった。陽性反応が出れば入場を断ることを考えていたという。

 検査は提携医療機関スタッフが指先から採取した血液と簡易キットを使い実施。SBIは「外部から社員への感染リスクをなくす観点で行った」という。同社は検査を全社員対象に進めている。

 今回の措置に対し、医療問題に詳しい木下正一郎弁護士は「過剰反応だ。抗体検査の信頼性は確立しておらず、対策の手段として適切さを欠く」と述べた。

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