天皇、皇后両陛下は3日、赤坂御所に全国保健所長会の清古愛弓(せいこ・あゆみ)副会長ら保健所関係者3人を招き、新型コロナウイルスをめぐる保健所の対応について話を聞かれた。
清古副会長らによると、懇談は1時間ほどで、両陛下は職員の心のケアや、勤務体制などについてご質問。「今後もお体を大事にしながら頑張ってください」などと感謝とねぎらいの言葉を述べられたという。清古副会長は面会後、「保健所のことはなかなか知られていないと思うが、現状をよく理解し、関心を持って聞いていただいた」と話した。
宮内庁は4日、陛下が今年4月、即位に伴い5千万円を寄付された「子供の未来応援基金」の一部が、コロナ禍で資金を必要としている子供の支援団体の緊急支援事業に使われると発表した。両陛下は子供を取り巻く環境への感染拡大の影響が少しでも改善されることを願われているという。
皇后さまは5月29日、皇居内の紅葉山御養蚕所でカイコに桑の葉を与える「給桑(きゅうそう)」に臨まれた。この日は、養蚕を手伝う担当者の説明を聞きながら、8~9センチほどの大きさに育った日本純産種のカイコ「小石丸」の上に皇居で育てた桑の葉を丁寧に与えられた。担当者によると、皇后さまはカイコが桑の葉を食べるのにかかる時間についてご質問。また、感染症への配慮から、例年5人で行っている作業を、今年は1人で担う担当者を気遣い、「足りないものはないですか」と声をかけられたという。
6月2日には陛下とともに皇居を訪れ、カイコが繭を作りやすいように「蔟(まぶし)」と呼ばれる専用の網や枠に移す「上蔟(じょうぞく)」の作業に臨まれた。両陛下は、成長したカイコが好みの場所を探す様子に目を細め、「かわいらしいですね」などと話しながら、約2千頭を蔟に移されたという。今後は、繭を収穫する「初繭掻(はつまゆかき)」などの工程が続く。