教えて! K-da先生

9月入学の利点と課題 よく検討を

新型コロナウイルスの影響で、休校が長引いていることから、新学年を9月からとする「9月入学」を求める意見が出ています。新学年の開始を9月にして、不足する学校生活や授業の時間を取り戻そうという考えです。

9月入学は欧米では一般的で、日本も明治初めは9月入学が主流でした。明治41(1908)年に書かれた夏目漱石の小説『三四郎』で、主人公が入学した東大(東京帝国大)は「学年は九月十一日に始まった」とあります。帝大が4月入学になるのは大正10(1921)年です。

9月入学の利点として、学習時間確保のほか、海外へ留学する学生や留学生と学年をそろえられることなどが挙げられます。

これまでも9月入学が何度か議論されました。平成23年、東大は9月入学を検討しました。入試は春に行い、合格者には約半年間を「ギャップターム」として、海外留学やボランティア活動などの体験を積ませる考えでした。

ただ、就職活動をどうするかや、ギャップタームの費用負担など大学内外の意見がまとまらず、実施されませんでした。

今回はすべての学校が9月開始になるので、半年間の空白はありませんし、企業の採用も通年で行われる傾向が強まっているので、こうした問題は小さくなっています。

一方、今月11日には日本教育学会が、政府に対し、慎重に議論するよう求めました。

義務教育を始める年齢が遅くなる▽半年間の学費はどうするのか-などの課題があり、現場や子供、保護者の負担が大きくなるからです。

授業時間の確保と9月入学の課題をどう解決するか。大事なのは児童・生徒・学生、保護者の意見をよく聞き、検討することだと思います。

K-da先生 中学校社会科教諭から新聞記者になり、教育問題などを取材してきました。趣味は登山と街歩き。世の中の難しいことを、簡単に分かってもらおうと頑張っています。

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