また、「付属文書3に列挙された法律は香港が公布して施行、あるいは香港が立法化して施行する」と規定されており、今回は「付属文書3に追加→香港が公布」の方式で香港での施行を図るとの立場だ。
付属文書3に列挙された法律には、国旗、国章、祝日、国籍に関するものなどがある。現在、香港の立法会で国歌条例案が審議されているが、これは「付属文書3に追加→香港が立法化」の方式による。
一方、香港の民主派は、全人代常務委が国家安全法を香港に導入することについて、基本法違反であると主張する。
基本法の起草委員も務めた民主派の重鎮、李柱銘氏は今回の国家安全法に関し、「全人代常務委が香港のために制定する香港の法律であり、中国の全国レベルの法律ではない」と指摘。全人代常務委が「香港の法律」を制定できるとの規定は基本法のどこにもないと強調する。
このほか、18条では「香港の自治の範囲に属する事項の法律」については付属文書3に追加できないと定めている。そもそも23条に「国家分裂行為などを禁止する法律を香港が自ら制定しなければならない」と明記されており、「国家安全法は香港の自治の範囲内の法律であり、付属文書3に追加できない」と今回の違法性を指摘する法律家もいる。(香港 藤本欣也)