唐門、よみがえる色彩 宝厳寺4棟、保存修理完了 滋賀

 県は22日、宝厳(ほうごん)寺(長浜市)の国宝「唐門」など4棟の保存修理工事が完了したと発表した。平成25年6月から屋根の吹き替えと漆や彩色の塗り直しが行われていた。4棟は剥落した顔料部分などが修復され、色鮮やかな往時の姿を取り戻した。

 琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶしま)にある宝厳寺は、8世紀に行基が堂塔を開いたのが始まりとされ、西国三十三所観音霊場の札所としても知られる。長年の風雨によって屋根の檜皮葺(ひわだぶき)が痛み、漆や彩色の剥落も著しいことから、県は唐門、観音堂(重文)、渡廊(同、低屋根、高屋根の2棟)の4棟の保存修理工事を行っていた。

 檜皮葺の葺(ふ)き替えは昭和47年に行われて以来、48年ぶり。コケに覆われ、雑草が根を下ろしていた屋根は幾重にも重なるヒノキの皮が成す造形の美しさが戻った。漆塗りと彩色は昭和10年の解体修理以来、85年ぶりの修理で、日光が当たる部分にひび割れや剥落が見らた漆塗り部分は、ほぼ全面にわたって塗り直した。彩色部分も退色や汚れ、剥落が多く、彫刻の欠落もあった。修復ではレーザー測定で顔料や模様を分析し、当時の色を忠実に再現。金や赤、青を用いた鮮やかな模様がよみがえった。

 県は修理に伴って実施した調査で、唐門と観音堂、渡廊が元々は一体の建造物だった可能性が極めて高いことが分かったと発表した。4棟は豊臣秀吉が大阪城に建立した「極楽橋」が京都を経て、竹生島に移築されたと伝えられている。

 県は移築の際に分割改変され、現在の姿になったとみており、「秀吉時代の大阪城の遺構として貴重な建造物であることがほぼ明らかになった」としている。

 一般公開は竹生島へのクルーズ船が運航を再開する6月1日からの予定。

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