黒川東京検事長が辞任へ 賭けマージャン報道、引責か

東京高検の黒川弘務検事長=平成31年1月、東京・霞が関
東京高検の黒川弘務検事長=平成31年1月、東京・霞が関

 東京高検の黒川弘務検事長(63)が、週刊文春に賭けマージャン疑惑を報じられたことを受け、辞任する意向を固めたことが21日、関係者への取材で分かった。

 週刊文春(電子版)の20日の報道を受けて、与野党から黒川氏への批判の声が上がり、政府・与党内でも進退論が浮上していた。義家弘介法務副大臣は21日の衆院総務委員会で、黒川氏に関し「現在進行形で事実関係の確認を行っている。聴取している」と述べた。

 報道では、黒川氏は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が続いていた今月1日夜、東京都中央区内にある産経新聞社会部記者宅を訪れ、産経記者2人や朝日新聞社員と6時間半にわたって賭けマージャンをした後、産経記者がハイヤーで目黒区内の黒川氏宅まで送ったとしている。「密閉空間に4人が密集し、密接な距離を楽しむマージャンは『3密』そのもの」とし、今月13日にも同様の行動があったなどと報じた。

 黒川氏は東大法学部を卒業後、昭和58年に任官。東京地検特捜部で四大証券事件などの捜査を担当した後、法務省で秘書課長や官房長、法務事務次官など枢要ポストを歴任した。

 平成22年、大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件が発覚した際には松山地検検事正に異動してわずか2カ月余りで大臣官房付に戻り、事件を受けて設置された「検察の在り方検討会議」の事務局を取り仕切った。

 与野党問わず国会議員に広い人脈を持っているとされ、「テロ等準備罪」を新設した改正組織犯罪処罰法の成立にも尽力。官房長と次官の在任期間は計約7年半と長期に及んだ。

 黒川氏の司法修習同期は優秀な人材が集まり「花の35期」と呼ばれた。黒川氏は林真琴・名古屋高検検事長(62)とともに早くから検事総長の有力候補として名前が挙がっていた。

 昨年1月、検察ナンバー2の東京高検検事長に就任。検察庁法は検察官の定年を検事総長は65歳、それ以外は63歳と規定しており、黒川氏は63歳の誕生日前日の今年2月7日に定年を迎える予定だった。

 しかし、政府は1月31日の閣議で黒川氏の勤務を8月7日まで半年間延長することを決定。検事長の定年延長は極めて異例で、稲田伸夫検事総長(63)の後任に充てるためとみられた。

 政府・与党は人事院勧告を受け、検察官の定年を他の国家公務員に合わせるのを目的に検察庁法改正案の今国会の成立を目指した。しかし、内閣や法相が認めれば幹部ポストを最長で3年間延長できる特例規定と、直接は関係のない黒川氏の定年延長と結び付けられて批判が広がった。政府・与党は国民の理解が得られないと判断し、成立を断念した。

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