天皇、皇后両陛下は20日、お住まいの赤坂御所に日本赤十字社の大塚義治社長と富田博樹副社長を招き、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる対応について説明を受けられた。新型コロナウイルスに関し、両陛下は4月以降、感染症や経済などの専門家から直接、進講を受けられており、今回が4回目となる。
宮内庁は同日、進講の冒頭の両陛下のご発言を公表した。天皇陛下は、対応にあたる日赤職員をはじめとする医療従事者の尽力に対し「深い敬意と感謝の気持ちを表します」とした上で「皆さんのお疲れもいかばかりかと案じていますし、心ない偏見に遭う方もおられると聞き心配しています」と気遣われた。
昨年5月に日赤の名誉総裁に就任した皇后さまは「皆さんの懸命な医療活動は、多くの患者さんの命を救ってこられたものと思います」とねぎらい、医療従事者や家族らに対し「陛下とご一緒に心からのお礼の気持ちをお伝えしたい」と話されたという。
進講は約1時間半に及び、大塚社長らによると、同社の対応体制や課題の説明に対し、陛下は感染者受け入れの難しさなどについてご質問。皇后さまは医療従事者の心のケアについて心配されていたという。