浪速風

映画は映画館で

「DVDで観ればいいや、と思われるような映画を作りたい映画人がいるものか」。原田マハさんの小説「キネマの神様」は、映画は本来、映画館で観るものだと語る。そこは「一歩踏み込めば異次元になる結界」で、とりわけ古い名作を上映する名画座は「昔ながらの村の鎮守」のような場所だとも 

▶新型コロナウイルスのせいで休業を余儀なくされてきた映画館だが、感染防止のため客席を間引くといった条件付きながら再開へと動き出した。ただ新作の多くが、撮影や公開を中断したり延期したりしている。満を持して、とまではいえないだろう 

▶ならば、名画座ならずとも過去の名作を上映する機会にしてほしい。映画文化の資産は豊穣(ほうじょう)だ。お気に入りの一本、ベストテンがある、というファンも多いだろう。DVDやネット配信でいつでも観られるが、やはり外界から隔絶された真っ暗な館内と大きなスクリーンで得られる感覚は次元が違うと思う。