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「立ち会い出産ができなくなった」「ママ友が作れない」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で母親学級がなくなったり、妊婦健診の回数が減ったりしたことで、相談する相手もなくストレスや不安を抱える妊婦は多い。そこで、インターネットを利用した助産師による無料相談事業や産婦人科のオンライン診療(遠隔診療)で、妊婦を支えようとする動きが広がっている。(高橋義春、吉国在)
助産師がオンラインで講義
「上の子が抱っこをせがみます。大丈夫ですか」
京都市下京区の助産師、コプシュ・麻衣子さん(39)が自宅でのぞき込むパソコンの画面には、5月に出産予定の妊婦が質問する姿が映っていた。
「立って抱くと、おなかが張りやすくなるので、座って、もしくは寝た状態で抱っこしてあげてください。上のお子さんもママに甘えたいので気持ちを酌み取ってあげてくださいね」
こう優しく答えたコプシュさん。新型コロナの影響で、病院や区役所で開かれていた母親学級や両親学級が相次いで中止されたのを受け、4月、インターネットを使って参加できる無料の「パパママクラス(両親学級)」を始めた。妊娠中期までの妊婦には流産や早産を避けるための注意点などを講義。28週目から分(ぶん)娩(べん)を直前に控える人にはお産までの流れや呼吸法などを伝え、それぞれ講義の後に質疑応答の時間も設ける。
つながり持つことの重要性
新型コロナの感染拡大を受けて、妊婦は不安を募らせている。4月下旬、初産の臨月を迎えていた京都府亀岡市の主婦(23)は希望していた立ち会い出産ができなくなり「不安が大きい。お父さんとしての実感を持ってもらえる機会だと思っていたのに」と残念がった。
3人目の出産を夏に控えている同市内の小谷梢さんも本来、妊婦検診は妊娠24週に入って2週間に1回行われる予定だったのが、感染予防のために間隔が開いていることに不安を感じる。「第三子でも、おなかの張りや妊娠経過はそれぞれ違うので、どうしたら良いか聞きたいことはたくさんある」