中国がEU情報スパイか マルタ大使館利用と仏紙

 仏紙ルモンドは15日、地中海の島国マルタの大使館が入居するブリュッセルのビルに中国情報機関がスパイ装置を仕掛け、ビル向かいの欧州連合(EU)欧州委員会の情報収集をしている恐れがあると報じた。マルタが所有する9階建てビルは2007年に中国が2100万ユーロ(約24億円)を援助し、改装された。

 マルタはEU加盟国。同国外務省は政府間協定に基づく中国の協力でビルが改装されたことは認めたが、スパイ活動についてはコメントしなかった。在ベルギー中国大使館は「全くの作り話だ」と述べた。

 スパイ疑惑は最初に英情報機関がベルギー側に伝えた。ベルギー情報機関は10年、マルタ大使館やEU代表部が入居するビル「マルタハウス」に「スパイ活動のための技術的手段が中国の秘密機関によって設置されている」と指摘。中国の活動は現在まで続いている可能性があるという。(共同)

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