飲食店の時短要請に緩和の動き 緊急事態宣言解除で

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が14日に一部解除されたことを受け、事業者に対する休業や営業時間短縮の要請を緩める動きが広がり始めた。感染の再拡大を警戒しつつ夜間の酒類提供を再開する飲食店も増えそうだ。

 大阪府は独自に定めた数値目標をクリアしたとして、16日から休業要請を一部解除すると決めた。北海道は午後7時以降の酒類提供を控えるよう飲食店に促していたが、感染確認が続く札幌市と周辺自治体を除き16日から依頼しない方向。福井、兵庫県も現在出している休業要請を見直す方針だ。

 東日本の特定警戒都道府県で唯一、緊急事態宣言が解除された茨城県は、県内や東京都内の感染者数などに応じ警戒状況を4段階に分けた独自の指針に基づき、外出自粛や休業要請などの対応を15日に一部緩和する。

 茨城県の大井川和彦知事は14日、県庁で記者団の取材に応じ「宣言が適用されてから県民に努力していただいた結果だ」と、県民への感謝の思いを口にした。

 茨城県は県内や東京都内の感染者数などに応じ、感染拡大への警戒状況を4段階に分け、外出自粛や休業要請などの対応を決める独自の指針を設定した。

 大井川知事は「この方針に基づき、休業要請や外出自粛の解除を段階的に行う」と述べ、県民に継続的な協力を呼び掛けた。

 東京や千葉から来県する人への対応に関しては「仮に東京方面から人が来ることを止められなくても、県民が安全な社会生活を送れるような対応を取りたい」とした。

 一方、慎重に対応しようとする自治体も少なくない。秋田県の佐竹敬久知事は「宣言解除で感染が終わるわけではない」と指摘した上で、「夏ごろまでは、県外への不要不急の移動自粛などで警戒を続ける必要がある」と述べた。

 山梨県の長崎幸太郎知事も「東京、神奈川、埼玉に隣接しており、再度の感染拡大を避けるため警戒を続ける必要がある」と述べ、一部事業者への休業要請や人混みへの外出自粛を継続すると明らかにした。

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