外出自粛でも避難優先 災害に備えシンポ

 台風など大規模水害への備えを専門家らが考えるオンライン形式のシンポジウムが12日開かれ、新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が続く中でも、災害が発生した場合は「安全な場所への避難が第一」との認識で一致した。避難所は密集、密接、密閉の「3密」につながりやすく、自治体に換気など感染防止対策の徹底を求める意見も出た。

 梅雨入り時期を迎え、新型コロナ感染と自然災害が重なる複合災害の危険が高まっているが、こうしたケースに関する政府の想定や対策は十分ではない。

 関西大社会安全研究センターの河田恵昭センター長は講演で「過去に経験していないことは起こらないと考えた結果、対応が甘くなった」と指摘。参加者による討論では「避難所の衛生環境の確保や換気など、受け入れ態勢を整える必要がある」との声が出た。

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