話の肖像画

元バレーボール女子日本代表・栗原恵(35)(1)自ら打ったピリオド

元バレーボール女子日本代表、栗原恵さん(川口良介撮影)
元バレーボール女子日本代表、栗原恵さん(川口良介撮影)

「話の肖像画」特集へ

《バレーボール女子日本代表のエースとして平成16(2004)年アテネ、20(08)年北京の両五輪で5位入賞に貢献し、昨年5月末、25年間に及ぶ現役生活に終止符を打った。トップ選手として活躍してきただけに、新型コロナウイルスの感染拡大により東京五輪をはじめ、多くのスポーツイベントが延期・中止になっている現状を憂えている》

東京五輪に照準を合わせて調整をしてきた選手たち、特にベテランや競技人生の節目と考えていた選手たちの気持ちを考えると複雑な思いがあるかと思います。しかし選手たちはすでに来年に向けて、気持ちを立て直して進んでいるはずです。五輪はそれぐらい、目指す選手にとって素晴らしい大会であると思うからです。

その一方で、全国中学校体育大会、高校総体の中止は本当に心が痛むニュースでした。学生時代という限られた時間の中で、仲間たちとともに努力を重ねてきた大きな目標がなくなってしまった。どのような言葉をかけてあげればいいのか難しいですが、ただ元気で次に進んでほしいと願うばかりです。

《高校生で日本代表に選出され、長年にわたって女子バレー界を牽引(けんいん)してきた。華やかな活躍もあれば、ケガや病気との闘いもあり、外国リーグに活躍の場を求めたこともあった》

「もう1年、頑張ろう」と思えばやり遂げる自信はありましたが、ここ数年間は「バレーボールは趣味なのではないか」と思う機会が多くなっていたんです。試合に負けて悔しいとか、できないことを克服したいという思いはもちろんありましたが、自分の中では「コートの中でやり残したものはもうないのではないか」と感じることもありました。