浪速風

長引くコロナ禍、コペル君であれ

GWが明けた渋谷駅前の出勤風景。人出は少ないように見えた=7日、東京都渋谷区(鈴木健児撮影)
GWが明けた渋谷駅前の出勤風景。人出は少ないように見えた=7日、東京都渋谷区(鈴木健児撮影)

ゴールデンウイークは、ほとんど外出せずに家の中で過ごした。手に取った本の中に、岩波文庫の『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)がある。反戦の思想を秘めた作品だが、そういう観点に縛られることなく読み進めると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下で、どう日常生活を送るべきか-の示唆にも富んでいるように思えた

▶何事も自分中心で考えることの誤りに気づいた、主人公の中学生のニックネームはコペル君。地動説を唱えたコペルニクスから名付けられた。コペル君は、貧しい友人との交流や強圧的な上級生との対決などを経て、成長していく

▶本の中にこんな一節がある。「僕たちは、自分で自分を決定する力を持っている。だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ」。不自由な生活が長期化する中で自らを律し、気の緩みや利己的な行動を反省する。他人を思いやるコペル君が増えれば、コロナ禍も収束に向かうはずだ。