〈独自〉としまえんプール死亡事故 小3女児遺族、運営会社など提訴へ

 東京都練馬区の遊園地「としまえん」のプールで昨年8月、埼玉県朝霞市の小学3年、森本優佳さん=当時(8)=がエア遊具の下に潜り込んで死亡した事故で、遺族が8日にも、安全管理を怠ったとして、運営会社の豊島園と親会社の西武鉄道、遊具製造・設置会社、監視業務の委託会社に計約7500万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことが分かった。

 事故は昨年8月15日、としまえんの「ふわふわウォーターランド」で発生。大きなフロート(浮島)のエア遊具の下で心肺停止状態の優佳さんが見つかり、搬送後に死亡が確認された。

 プールの最大水深は190センチ。身長110センチ以上であれば利用できたが、優佳さんでは足の届かない所もあった。ライフジャケット着用が義務付けられ、優佳さんも身に付けていた。

 遺族側によると、事故当日の午後1時半ごろ、父親が優佳さんを見失い、監視員に「娘がいなくなった。探してほしい」と求めた。監視員は「森本優佳ちゃんはいますか」とマイクで呼びかけたが水中の捜索は行わず、迷子の窓口を案内したり、「(午後)2時まで待つように」と指示したりするのみだった。休憩・点検時間の午後2時になって水中の捜索が始まり、優佳さんが見つかった。

 プールには当時、10個以上のエア遊具があったが、遊具の下に潜り込むことを防ぐネットなどは設備されていなかった。また、業界団体の日本エア遊具安全普及協会が定める「安全運営の10カ条」では、遊具1つにつき最低1人のスタッフを置くべきだとしているが、7人の監視員しか配置されておらず、遺族側は「10人以上の監視員を配置する義務があった」と主張している。

 優佳さんの母親(30)が7日、産経新聞の取材に応じ、涙ながらに「訴訟で真実を明らかにしたい」と語った。

 母親によると、運営会社の豊島園や遊具製造・設置会社から事故後、「事故は想定外だった」などとする書面が届いたが、「互いに事故の責任をなすりつけあっているような内容で、とても誠意を感じなかった」と指摘。「娘の命を何だと思っているのだろう」と言葉を詰まらせた。

 豊島園の関係者らは優佳さんの葬儀に参列したものの、弔問に訪れず、裁判外紛争解決手続き(ADR)の申し立てにも応じなかったという。母親は「文書には『お悔やみ申し上げます』と書かれていたが、申し訳ないという気持ちは全く伝わってこなかった。二度と絶対に、このような事故を起こしてはいけない」と強調した。

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