「心も人生もめちゃくちゃに…」ナンパ塾連続性暴行事件、被害女性の証言

分厚いマニュアル

 「ナンパの技術」と銘打たれたこのマニュアルは、初級編(約170ページ)、中級編(約110ページ)、上級編(約70ページ)に分かれ、計約350ページに及ぶ。

 初級編には、選択肢を2つに限定することで、相手を誘導していく「二者択一法」や、相手の主張を認めた上で、自分の主張を通す譲歩逆接構文を応用した「YES・BUT法」などが記されている。

 女性は被害に遭った後、「警察に相手にされなかったらどうすればいいのか」「自分にも落ち度があったのではないか」と悩んだという。だが、「世間の人に事件を知ってほしい。被害者が被害を言いやすい世の中になってほしい」という思いから、警察に相談した。

 捜査の結果、暴行の有力な証拠も見つかり、男らは30年5月、準強制性交容疑で逮捕され、起訴された。逮捕された男の一人は、東京メトロの社員だった。

 《画像や動画や音声などで、強制わいせつや強姦ではなく、和姦であるという証拠を残しておけば、万が一トラブルになっても、証拠があるので正当に対抗できる》

 ナンパ塾の「受講案内」(約35ページ)には、このような記述がある。男らは、こうした動画を「合意があった証拠」として用いようとし、女性に対し「虚偽告訴だ」などと脅したという。女性は「当時の交際相手も弁護士の先生も支えてくれたので戦えました。だから示談する気はありませんでした」と振り返る。

 男らにとっては皮肉なことに、女性に無断で撮影されたこの動画は、酩酊状態の女性が抵抗の著しく困難な「抗拒不能」状態だったことを示す動かぬ証拠となった。男らは後に実刑判決が言い渡された。

 「男について行くやつが悪い」「金目的なのではないか」

 男らが逮捕された直後、インターネット上には、被害者の女性を誹謗中傷する書き込みがみられたという。「もし、あの動画がなかったら犯罪を立証できなかったのではないかと思うと、怖い」。女性はこう語る。