【正論6月号】日中の学者を公然と「誘拐」 許してならない中国の国家犯罪 産経新聞論説副委員長 佐々木類(1/4ページ) - 産経ニュース

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正論6月号

日中の学者を公然と「誘拐」 許してならない中国の国家犯罪 産経新聞論説副委員長 佐々木類

 ※この記事は、月刊「正論6月号」から転載しました。ご購入はこちらから

 中国当局による不当な身柄拘束が止まらない。日本人に加え、日本で学術研究している中国国籍の学者も、拘束されていたことが新たに判明した。音信が途絶えてから十カ月も経過した今年三月下旬、中国政府が北海道教育大の中国人教授(六四)を取り調べ中であると公式に認めた一件だ。

 教授の拘束が法の支配に名を借りた問答無用の身柄拘束だとしたら、著しい人権侵害である。彼らはスパイ容疑で拘束したと正当性を主張するが、証拠も開示せずにだれが信用できるというのか。

 その限りにおいて、彼らのやっていることは拉致であり、誘拐に等しい。国家犯罪そのものと言ってもよかろう。

天安門事件の「闘士」

 今回、新たに身柄拘束が明らかになったのは、北教大の袁克勤教授(東アジア国際政治史)。一九八九年に起きた中国・天安門事件の際に民主化運動に注力した「闘士」として知られる。中国・吉林大卒業後、天安門事件の二年前に一橋大院で法学修士を取得。北教大で教鞭をとるまで同大法学部で助手を務めた。日本の、とりわけ北海道の緑豊かな自然をこよなく愛し、日本に骨を埋める覚悟で、家族ともども来日し、日本での永住権を獲得した。

 何よりも、中国と違って日本は言論の自由が保証されている。そこが気に入ったという。

 今年三月二十六日、中国外務省の耿爽報道官は、日本人記者の質問に答える形で、中国で昨年五月から音信不通となっていた袁氏について、「スパイ犯罪」に関する容疑で中国の国家公安部門から取り調べを受けていることを初めて明らかにした。