首相記者会見全文

(3)「今後2週間で業態ごとにガイドライン」

緊急事態宣言の延長を発表し、国民に対して改めて協力を呼びかける安倍晋三首相=4日午後、首相官邸(春名中撮影)
緊急事態宣言の延長を発表し、国民に対して改めて協力を呼びかける安倍晋三首相=4日午後、首相官邸(春名中撮影)

 「どうか、ご理解とご協力をお願い申し上げます」

 「感染の拡大防止は私たちの命を守るための大前提です。有効な治療や、有効な治療法やワクチンが確立されるまで、感染防止の取り組みに終わりはありません。その意味で私たちは、ある程度の長期戦を覚悟する必要があります。しかし、経済社会活動を厳しく制限する今のような状態を続けていけば、私たちの暮らし、それ自体が立ち行かなくなります。命を守るためにこそ、私たちはコロナの時代の新たな日常を1日も早く作り上げなければなりません。ウイルスの存在を前提としながらの、いつもの仕事、毎日の暮らし、緊急事態のその先にある出口に向かって、皆さんとともに、一歩一歩、前進していきたいと考えています」

 「その観点から本日、日常生活において、留意すべき基本的なポイントを専門家の皆さまからお示しいただきました。密閉、密集、密接、3つの密を生活のあらゆる場面で、できる限り避けていく。このウイルスの特徴を踏まえ、正しく恐れながら、日常の生活を取り戻していく。専門家の皆さんが策定した新しい生活様式は、その指針となるものです。子供たちには、長期にわたって学校が休みとなり、友達とも会えない、外で十分に遊べない、いろいろと辛抱してもらっています。心から感謝いたします。また、お父さんやお母さんやご家族の皆さまには大変なご負担をおかけしています。先週、文部科学省から分散登校など新たな指針をお示ししました。段階的であっても、子供たちの学校生活を取り戻していく。学校においても、新たな日常を作る取り組みを進めます」

 「経済活動においても、新たな日常を作りあげます。さまざまな商店やレストランの営業、文化施設、比較的小規模なイベントの開催などは新しい生活様式を参考に、人と人との距離をとるなど、感染防止策を十分に講じていただいた上で、実施していただきたいと考えています。今後2週間を目途に、業態ごとに専門家の皆さんにもご協力をいただきながら、事業活動を本格化していただくための、より詳細な感染予防策のガイドラインを策定してまいります。ただし、3つの密が濃厚な形で重なる、夜の繁華街における接待を伴う飲食店、ライブハウスなど、これまで集団感染が確認された場所へ出かけることは引き続き自粛をお願いすることとなると考えます」

 「他方で、外出それ自体が悪いわけではありません。人との距離を十分に保ち、マスクを着用する。そうした予防対策を講じながら、外出できる。そうした日常を専門家の皆さんのアドバイスのもとに取り戻してまいります。もう一度申し上げますと、外出それ自体は全く悪いわけではないということであります。3つの密を避けることを大前提に、新たな日常を国民の皆さんとともに作り上げていく、5月は、その出口に向かってまっすぐに進んでいく1カ月です」

 「同時に、次なる流行の恐れにもしっかり備えていきます。その守りを固めるための1カ月でもあります。各地で医師会の皆さんの協力も得て、PCRセンターを整備するなど、検査態勢をさらに拡充していきます。地域の感染対策のとりでである保健所の皆さんの負担軽減、態勢強化にも、さらに取り組みます」

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