翼と脚が短いユーモラスな姿で、古くから愛玩鳥として親しまれてきた、ニワトリの仲間の天然記念物「チャボ」は、骨の形成と、DNAの修復に関わる二つの遺伝子に特徴があることが分かったと、名古屋大と放射線医学総合研究所(千葉市)のチームが発表した。人でもこれらの遺伝子に特徴がある遺伝性の疾病があり、名古屋大の鈴木孝幸准教授は「病気が発症する仕組みの解明や治療法の開発につながる可能性がある」とした。
チームは、チャボと普通のニワトリを交配して生まれた子を、さらにチャボやニワトリと何回も交配。生まれたニワトリや卵のDNAを調べた。すると骨が作られる際に働く遺伝子「IHH」と、傷ついたDNAを修復する働きのある遺伝子「NHEJ1」がチャボに関連すると判明。IHHとNHEJ1にともに異常を持つニワトリが片方の親になった場合にのみ、チャボが生まれた。