主張

悪化する企業経営 コロナ失業を全力で防げ

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請で、企業活動が大きく制限され、倒産に追い込まれる企業も出てきている。

 とくに、財務基盤が脆弱(ぜいじゃく)な中小企業や小規模事業者の資金繰りの悪化は深刻だ。このままでは経営破綻が相次ぐ事態も懸念される。

 企業の倒産が広がれば、そこで働く従業員の雇用も失われる。総務省が28日発表した3月の完全失業率は、2・5%と前月より0・1ポイント悪化した。

 今は何よりも企業を支え雇用を守ることに全力を挙げるべきだ。雇用維持のための助成金支給の要件緩和などを急ぐ必要がある。

 中小企業や小規模事業者は雇用者全体の7割を抱え、日本の屋台骨を支える存在だ。その雇用維持が今後の日本経済を大きく左右することを銘記すべきである。

 政府は新型ウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策に、雇用調整助成金の拡充を盛り込んだ。売上高が減少した企業が従業員を解雇せず、一時帰休などで雇用を維持した場合、賃金を助成する仕組みだ。今回の対策では適用対象を拡大し、助成率も引き上げる。

 厚生労働省は申請書類なども簡略化したというが、手続きは煩雑だ。雇用維持を最優先すべき緊急時に厳格な審査が必要なのか。特例として申請はすべて受け付けるなどの弾力化が欠かせない。

 全国の労働局やハローワークの窓口には、企業からの相談が殺到し、申請から実際に支給されるまでに時間もかかっている。同省は支給までの時間を1カ月に半減する予定だが、社会保険労務士などにも相談業務の協力を求め、必要に応じてその場で申請を代行するなど柔軟な対応を求めたい。

 緊急経済対策には、中小企業などに対する支援として、最大200万円を支給する「持続化給付金」も盛り込まれた。今年度の補正予算案が30日にも成立すれば、翌日から申請を受け付け、最速で1週間で支給するという。

 経営が厳しい中小・零細事業者に広く利用してもらうため、まずは迅速な給付が不可欠だ。そのうえで追加給付を含め、さらなる支援の検討も進めるべきだ。

 雇用情勢の悪化は観光業から飲食業、そして製造業にも広がりつつある。失業者が急増すれば社会不安にもつながる。政府には強い危機感を持ってもらいたい。

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