雇用問題のシンクタンク「パーソル総合研究所」によると、7都府県に緊急事態宣言が出た後、今月10~12日時点でテレワークを実施したのは推計760万人。1カ月前から倍増した。7割近くは初めての利用で、「セキュリティー対策に不慣れであれば、標的となりやすい」(警察幹部)。
社外で使用するパソコンのセキュリティーには細心の注意を払う必要がある。トレンドマイクロによると、攻撃者はウイルス感染したパソコンを乗っ取り、それを踏み台に会社本体への不正アクセスが可能になる。さらにIDなどが流出すると、テレビ会議などを行うクラウド上のシステムがのぞき見られ、情報が窃取される恐れがある。
カフェなどでパスワードが公開されている「Wi-Fi(無線LAN)」の利用は、専用ツールがあれば閲覧中のサイトなどが傍受可能。利用者の誤接続を狙って攻撃者が偽のWi-Fiの信号を流す「わな」を仕掛けている場合もある。
サイバー攻撃を防ぐには、通信経路の暗号化やウイルス対策ソフトを最新版に更新するなど事前の準備が不可欠だ。トレンドマイクロの山外(やまほか)一徳セキュリティエバンジェリストは「社外での作業はより意識を高く持ち、リスクを十分に理解しておくことが重要だ」と注意を促している。
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テレワーク パソコンやタブレット端末を活用し、自宅や共有オフィスで仕事をすること。「tele」(遠くで)、「work」(働く)を組み合わせた造語。育児や介護との両立、通勤が難しい身体障害のある人の就業、災害時の業務継続に役立つ。働き方の選択肢を増やして、離職防止にもつながるとされる。