国会のオンライン審議 「出席」求める憲法が壁

衆院本会議=23日午後、国会(春名中撮影)
衆院本会議=23日午後、国会(春名中撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、永田町でインターネットなどを使ったオンライン審議が注目されている。国会内での「3密」回避の有効な手段として、自民党の若手議員らが積極的に導入を提言している。ただ、憲法56条は議員の出席を求めており、早期実現は見通せていない。

 「憲法で規定している『出席』はどういう意味なのか。もっと議論を深めていくべきだ」

 自民の若手議員でつくる「コロナを機に社会改革プロジェクトチーム」の古川康衆院議員は14日、緊急提言を党幹部に提出後、記者団にこう問題提起した。

 新型コロナの感染拡大を受け、ブラジルや欧州連合(EU)など海外の議会では、電子メールなどを用いた「遠隔投票」を取り入れる動きが活発だ。緊急提言も議場や委員会室に行かずにネット中継の視聴などを出席とみなすことや、法案採決のオンライン投票の実現などを求めている。

 遠隔投票はこれまでも国内で議論されてきた。自民の小泉進次郎環境相らが国会改革の一環で、昨年の通常国会で妊娠・出産前後の女性議員を対象とした遠隔投票を目指したが、実現しなかった。憲法56条は「総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」と明記しており、「憲法との関わりがあり慎重な議論が必要」(森山裕国対委員長)と指摘する声が少なくなかったためだ。

 オンライン審議の導入を強く要望している一人に難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を患うれいわ新選組の舩後靖彦参院議員がいる。人工呼吸器を手放せない舩後氏は「感染症にかかると命に関わる」として一時国会を欠席。3月18日の文教科学委員会では「緊急事態で1カ所に集まることが難しい際には誰にとっても有用だ」と述べ、オンライン審議の意義を訴えた。

 新型コロナの収束が見通せない中、国会では「柔軟性を持つべきだ。『これでなければだめだ』では国会の審議が進まない」(参院ベテラン)と容認論も広がりつつある。国難を機に、憲法の壁に阻まれていた国会改革が進むのかが注目される。(今仲信博)

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