富士スバルライン「調査」名目で閉鎖 道路法規定で苦肉の策

山梨県富士吉田市から望む富士山。新型コロナウイルス緊急事態宣言後も周辺への観光客が絶えない=昨年12月(渡辺浩撮影)
山梨県富士吉田市から望む富士山。新型コロナウイルス緊急事態宣言後も周辺への観光客が絶えない=昨年12月(渡辺浩撮影)

 山梨県は23日、富士山の麓と5合目を結ぶ県の有料道路「富士スバルライン」を当面閉鎖すると決めた。新型コロナウイルス緊急事態宣言後も県外からの観光客が絶えないためだが、法律上は来訪抑制のための通行止めはできず、苦肉の策で工事の調査名目とする。

 スバルライン閉鎖はこの日、長崎幸太郎知事と富士吉田市の堀内茂市長ら富士北麓7市町村長のテレビ会議で合意された。市町村長からは県外からの来訪が減らないことへの強い危機感が示された。

 県によると、富士山には雪が残っているため、スバルラインは23日現在で4合目までしか通行できないが、例年は大型連休までに全面開通する。

 県は今年は開通させず、閉鎖する日時などを最終調整しているが、道路法は感染防止のための通行止めを想定しておらず、落石や雪崩を防止する工事の調査のための閉鎖とする。

 県と7市町村は同日、「観光・レジャー目的での来訪はお断りします」との共同宣言を発表した。

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