マスク売り惜しみやめて 政府、小売業界に要請

 消費者向けマスクの供給不足が続いていることを受け、厚生労働省と経済産業省、消費者庁は22日、マスクの積極的な販売や適正価格の設定を促進し、値上がりを期待した売り惜しみをしないよう、小売業界12団体に要請した。同日、政府が開催した物価安定のための関係省庁会議「物価担当官会議」では、世界中の企業で調達競争が激化し、仕入れ値が高騰していることが報告された。

 会議は通常、公共料金や郵便料金など公共性の高いサービスの価格を議論する。マスクを取り上げるのは異例。

 厚労省と経産省が実施した事業者へのヒアリング調査によると、輸入品で使い捨ての50枚程度のセットでは、1枚当たりの仕入れ値が以前は5~7円程度だったが、35~50円程度に上昇した。一方、国内メーカーが増産しているマスクは価格の据え置きや上昇幅が小さいケースが多い。

 消費者庁の伊藤明子長官は22日の定例記者会見で「世界的に不足し、引っ張り合いみたいなことが起き、価格が上昇している。(状況を)よく見ていく必要がある」と述べた。

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