花田紀凱の週刊誌ウオッチング

〈767〉小池都知事の「希望・野望・策謀」

記者の質問に答える東京都の小池百合子知事=17日午後、東京都庁
記者の質問に答える東京都の小池百合子知事=17日午後、東京都庁

『週刊新潮』がプロなら、『週刊文春』はアマチュア。プロにはプロの良さがあり、アマにはアマの良さがある-。

ぼくが昔から言ってきたことだが、一連のコロナ報道、プロの『新潮』が力を見せつけている。

今週トップの大特集は『新潮』(4月23日号)が「『コロナ』の決死圏」、『文春』(4月23日号)が「新聞・TVが報じないコロナ全真相」。

両誌ともメインは小池知事の記事だが、『新潮』のタイトルは「『命か経済か』で『安倍官邸』を悪玉に! 『小池知事』の『希望・野望・策謀』再び」、『文春』は「小池百合子血税9億円CM 条件は『私の出演』」。タイトルからして『新潮』の方がヒネリが効いている。

〈いまネットやSNS上には、彼女を《誰よりも本当にリーダーシップがあってフットワークの軽い方だな》などと絶賛する声があふれている〉

が、小池知事が突如としてロックダウンなどと言い出したのは五輪延期が決まってから。

〈機を見るに敏な政界風見鶏の面目躍如。強い言葉で不要不急の外出を控えろと呼びかけ、隣接県に追随を求めてリーダーシップを誇示し〉〈安倍総理が宣言を発令する前日、先走って会見を開き〉…。

周辺知事は皆、はらわたが煮えくり返っているという。

〈「政権幹部たちは完全なスタンドプレーとみなしています」〉(政治部記者)

で、『新潮』の結論。

〈彼女が掲げる「命」が、五輪に代わる政治上の切り札にすぎないとしたら、切り捨てられるほうの「命」は浮かばれない〉

『文春』によれば都のコロナ対策費12億1300万円のうち〈CMなどの宣伝広告に約九億円(中略)四分の三が、小池氏出演CMを中心とする情報発信に使われている〉そうだ。

築地市場移転騒動を忘れるな。

『週刊朝日』(4・24)「現役医師が告発する コロナ野放しの実態」は〈PCR検査の件数が絞られている「動かぬ証拠」と言える文書を入手〉というのだが、検査が絞られているのは周知の事実。「動かぬ証拠」と力むまでもない。

(月刊『Hanada』編集長)