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奈良県生駒市鹿ノ台の自治連合会がITを活用し、高齢者の買い物や病院への送迎を支援するユニークな取り組みを3月からスタートさせた。電話で利用希望日を伝え、配信を受けた住民サポーターの都合が合えば配車が可能になる。乗客とドライバーをマッチングする「ウーバー」(アプリを使った配車サービス)さながらのシステムで、同会は「自動運転車との連動も視野に入れ、実証実験を重ねていきたい」としている。
(田中一毅)
約3千世帯、計約7千人が暮らす鹿ノ台地区は、65歳以上の住民が全体の41%を占め、高齢化が進んでいる(昨年10月現在)。高齢者の心身の虚弱化(フレイル)を防ぎ、住民が互いに支え合う「共生地域づくり」を進めようと、平成27年4月に自治連合会「鹿ノ台いきいき街づくり会」を発足させた。以降、「いきいき百歳体操」などのサロン活動を地区内の施設「いきいきホール」で開催している。
ただ、同地区は坂が多いことから、高齢者がサロン活動に参加するための移動手段が課題に挙がった。そこで、住民有志がサポーターに登録。マイカーで病院やスーパーなどに無料送迎してもらうサービスを同12月から開始した。現在は12人のサポーターが利用者約30人を支えている。
住民の90代女性は「1人暮らしで坂道を上るのも大変。助かっています」、80代男性も「週に1回は利用している。本当にありがたい」と話すなど好評だ。