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『元韓国陸軍大佐の反日への最後通告』池萬元著

 ■本来の自由主義に立ち返れ

 現在の日韓関係は戦後最悪といえます。日韓両国で李栄薫著『反日種族主義』がベストセラーになりましたが、本書はそれに劣らぬ衝撃の内容です。

 著者の池萬元(チ・マンウォン)氏は元韓国陸軍大佐にして、米国ではMBA(経営学修士)を取得し、米海軍大学院で教壇に立つなど学者としても高名です。

 池氏は金大中政権以降、左傾化する母国に危機感を抱き、自由主義を堅持する立場から言論活動を開始しました。とくに韓国で「民主化革命の象徴的事件」と賛美されている光州事件について、実際は恐るべき「北朝鮮による武装革命事件」だったことを暴露したことで従北政権ににらまれ、100件超の訴訟や暴力、投獄など度重なる弾圧を受けることになりました。

 本書の原題は『朝鮮と日本』ですが、歴史上朝鮮(韓国も含む)にとって日本がどれだけ重要な存在か、豊富な資料を引用し、説明します。また、現在韓国人がどれだけ「嘘の歴史」を教えられているか、李氏朝鮮当時の外国人、内国人の証言と当時の写真から論説も。ビジネス界にも明るい池氏は、松下幸之助や盛田昭夫ら著名企業家の話を通じ、「日本は学ぶことの多い国」と評価します。

 池氏の願いは、北朝鮮におもねった「反日」を今すぐやめ、真実の歴史を知り、韓国が本来立つべき自由主義に立ち返ること。本書は韓国人向けに書かれたものですが、反日に対抗して簡単に「日韓断交」を唱える日本人にもぜひ読んでいただきたいです。(ハート出版・1800円+税)

 ハート出版編集部 西山世司彦

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