わが道行く旧ソ連独裁国のコロナ対策 イベント続行、ペット殺処分、「ウオッカ飲んで消毒」

 【モスクワ=小野田雄一】新型コロナウイルスの世界的流行で、旧ソ連を構成した独裁国が特異な対応を取る事例が目立っている。「欧州最後の独裁者」との異名を持つベラルーシのルカシェンコ大統領は、国内に感染者が増える中でも国民の懸念を「コロナ強迫観念症」と呼び、大規模行事を継続。「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれるトルクメニスタンは、住民らのペットを強制的に殺処分し、「新型コロナ」と口に出しただけの住民を拘束していると伝えられる。

 イタル・タス通信によると、ベラルーシでは16日時点で新型コロナの感染者が4000人を超え、40人が死亡している。世界保健機関(WHO)は同国に対策強化を求めているが、同国は「感染状況は医療能力を超えていない」と主張。サッカーなど観客が集まるイベントを継続し、第二次世界大戦の対ドイツ戦勝を記念する5月9日の軍事パレードの準備も進めている。

 ルカシェンコ氏はこれまで「労働がウイルスを遠ざける」「ウオッカを飲めば消毒になる」と冗談めかし、感染への国民の懸念も「強迫観念」としてきた。ただ、同氏の楽観姿勢の背景には、8月の大統領選での再選を見据え、感染対策の強化で経済が悪化し、自身の求心力が低下する懸念があるとの分析もある。

 国内での感染事例を公式に認めていないトルクメニスタンも異例の対応を取っているようだ。ロシア紙モスコフスキー・コムソモーレツは3月、同国第2の都市トゥルクメナバートで、当局職員が各家庭を訪問し、犬や猫などのペットを回収して殺処分していると伝えた。住民はペットを隠すことに躍起だという。

 さらに米政府系メディア「ラジオ自由ヨーロッパ」は4月2日、トルクメニスタンでは新型コロナに言及すること自体が禁止されており、違反した住民らが拘束されていると伝えた。15日にも同ラジオは、ベルドイムハメドフ大統領の推奨により、抗菌作用を持つとされる植物をいぶした煙でウイルス撲滅を図る「民間療法」が同国内で広まっていると報じている。