算数・数学教科書を協同開発 筑波大、インドネシアやチリ政府と - 産経ニュース

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算数・数学教科書を協同開発 筑波大、インドネシアやチリ政府と

 筑波大はインドネシアやチリの政府と協同で算数・数学の教科書を作成した。楽しみながら考え方も学ぶ日本の教育が、海外でも役立つことになりそうだ。

 教科書を作成したのは筑波大教育開発国際協力研究センターの礒田正美センター長。同大は平成18年ごろから、東南アジア諸国連合(ASEAN)やアジア太平洋経済協力会議(APEC)と教育や授業に関する域内プロジェクトを実施。両国の教育省と協議してきた。

 その中で、両国の教育関係者に日本の授業や教科書の英語版を見てもらう機会があり、日本の教科書の優位性が評価されたという。

 29年にインドネシア教育文化省と算数・数学教科書の協同開発を始め、これまでに小学1年生から中学3年生までの教科書全15冊を発行。新学期が始まる今年7月には同国全域で使用される予定となっている。

 その後、31年にはチリ教育省とも小学1年生から6年生の算数で教科書の協同開発に取り組み、今年3月には同国全域で小学1、2年生の教科書の使用を開始した。

 筑波大によると、経済協力開発機構(OECD)の30年の調査で、数学分野の順位はインドネシアが78カ国中72位、チリは59位といずれも低迷している(日本は6位)。

 礒田センター長は「両国とも学力改善に苦しんでおり、同時に面積や国土が広い。教育を良くするには教科書の改善が重要なポイントとなる」と指摘する。

 両国の算数の教科書は、ひたすら問題を解かせる極めて練習帳的なものだという。これを両国の事情に合わせて自ら問題を作るなど、楽しみながら考え方を育て学べるように改善した。作成にあたっては筑波大付属小での150年に及ぶ研究成果も反映した。

 礒田センター長は「私たちの研究成果が評価されて相手国からの申し出により協同開発を実施した。『こういうことができないとこうなってしまうんだ』ということがよく分かる」と教科書を作った側のメリットも強調している。