貴重な放送権も惜しみなく スポーツメディアのコロナ対策

 ボクシングも、4月25日に米ネバダ州ラスベガスで予定されていた世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)と世界ボクシング機構(WBO)王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)による3団体統一戦が延期されるなど、興行がストップ。この事態を受け、WBAミドル級王者、村田諒太(帝拳)の放送権者がWOWOWのために権利を販売。村田自身が過去の試合を映像で振り返る特別番組が初めて実現した。

 伏見デスクは「普段ならなかなか放送権を買わせてもらえない過去の名勝負を惜しみなく出してもらえ、業界全体でこの困難を乗り越えようとしているのを感じる。試合は延期や中止になっているが、このままスポーツの火を消してはいけない」と力を込める。

人気アニメを先行配信

 サッカーJリーグの全試合やプロ野球セ・パ11球団の主催試合を中継している動画配信サービスDAZN(ダゾーン)も番組の差し替えに苦慮している。同社コミュニケーション&PR部の松岡けい部長は「スポーツ界にとって未曽有の事態」と受け止める。

 同社は当初、東京五輪のためプロ野球やJリーグが中断される今夏に、世界的な人気を誇るサッカーアニメ「キャプテン翼」の最新作全52話を配信する予定だった。しかし、五輪は1年延期となった上、プロ野球もJリーグも開催のめどが立たない状況が続き、前倒しして3月25日から配信を始めた。

 ほかにも審判に反則を取られなかった疑惑のプレーを検証する番組を放送するなど、あの手この手で不測の事態を乗り越えようとしている。松岡部長は「やはりライブスポーツ(試合中継)が一番魅力的なコンテンツ。一日でも早くスポーツを思い切り楽しめる日が来ることを願っている」と話した。