欧州首脳の新型コロナ対策 国民の反応に温度差 メルケル氏は復活

 【パリ=三井美奈】新型コロナウイルス感染が広がる欧州で、各国の指導者は3月、外出制限にあたって国民に結束を訴え、支持を集めた。対策の成果に違いが出始める中、国民の反応にも温度差が生じている。

 ■独 メルケル復活

 ドイツのメルケル首相は再び、「頼れる指導者」として浮上した。2年前、総選挙での不振の責任をとって、「2021年の任期で退任する」と表明し、政治の表舞台から遠のいていたが、今月初めの世論調査で「首相に満足」とした人は64%に達した。17年の総選挙以降、最も高水準にある。

 ドイツは感染者数が約12万人と世界で5番目に多いが、「大量検査による感染封じ込め」で効果を生んだことが、政府への信頼につながった。72%が政府の対応に「満足」と答えた。

 検査ペースは、週30万件以上。無自覚の感染者を早期隔離することで、集中治療室(ICU)がパンクする「医療崩壊」を防いだ。感染致死率は約2%で、10%を超えたイタリアやフランスより大幅に低い。感染統計や検査体制は国立の研究所が主に担い、産官学が連携したことも、危機管理に対する安心感を生んだ。

 ■仏 マスクで不信?

 フランスで今月、マクロン大統領の支持率は39%だった。昨年末には23%まで下落していたが、新型コロナ危機で急上昇した。

 一方、感染対策に対する不満も目立つ。12日発表の調査で、政府の対策を「信頼している」と答えた人は38%。3月後半には55%だったが、大幅に下がった。

 一因となったのが、マスクをめぐる政策の混乱だ。政府は当初、「健康な人に予防用マスクは不要」との立場だった。今月になって、「マスクがあれば着用を勧める」と方針転換した。外出禁止令のさなか、勤務を続ける警察官やスーパー店員はマスクを支給されず、「われわれはマスク不足の犠牲にされた」という反発が出たことが背景にある。

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