朝晴れエッセー

ツイテない・4月11日

2月半ば、娘から電話があった。息子がインフルエンザに感染した。仕事を休めないので、面倒を見てくれないかとのことだった。

内心、「こっちが感染してもいいんかい」と、心の中で呟(つぶや)きながらもオーケーした。

翌日、小学校6年生になる孫が、母親に連れられてやってきた。開口一番、「いつも運が悪いけど、今度もツイテないわぁ」と言う。理由を聞くと、「学校のスキー合宿行かれへんかった。楽しみにしていたのに」と残念がる。詳しく聞いてみた。やはり、それなりの理由があった。

それは、スキー合宿の楽しみ以外に、私立中学校に進学する友達との最後の思い出作りにしたかったようだ。わが家では、食事とトイレ以外はゲーム三昧の日々を過ごした。やがて回復して、「お医者さんの許可が出たら、来週から学校や」と言い残して帰っていった。

気になったので、週明けに連絡した。彼の答えは、「アカン、今度は学級閉鎖や。またツイテない」と大いに嘆いた。「また3月になったら行けるから」と慰めはしたが、落胆は大きい。

数日後に、テレビで3月から一斉休校のニュースが流れた。彼にとっては、最大の一撃となった。3度もツキに見放されて、ショックも大きいだろう。

孫よ、これだけのツキの無さと、運の悪さを体感したのだから、これからは上昇運だ。4月からは中学校新1年生になる。夢と希望をもって頑張れ。健闘を祈る。合掌。

鷺森俊二(73) 大阪府岸和田市