浪速風

終わったら何をしよう

誰もいない東京という嘘のような光景を詰め込んだ写真集がある。平成12年に発表された「TOKYO NOBODY」。写真家の中野正貴さんが、人影が消えた瞬間の街角を10年間にわたり撮りためた。見ていると想像をかき立てられる。みんなどこへ行ってしまったのだろう、と 

▶新型コロナウイルス対策で週末の外出を控えるよう要請が出され、巣ごもり消費が広がった。映画に買い物に、とインターネットの通信量は増えたそうだ。ただネットで済ませられない用事はあるし、要請を聞き置くだけの人もいて、街角から人影が消えることはない 

▶「TOKYO~」の撮影では連休中の早朝などを狙ったという。写っているのは、街が目覚めてもぞもぞと動き出す前の一瞬だったわけだ。緊急事態宣言で、しばらくは街をそっと寝かしておかなければならない。不安も不満もあるが、これが終わったらどこへ行って何をしようか、と考えるのも悪くない。