一筆多論

小池ワードの曖昧さ 大谷次郎

日本語の方が分かりやすいのに、わざと難しいカタカナ語を使って印象操作でもしようとしているのか…と、ひねくれた見方さえしてしまう。

「使う側は微妙なニュアンスの違いを出そうとカタカナ語を使うのだろうが、受け取る側には分からない人が多い」と指摘するのは文化庁国語課。実際、文化庁の「国語に関する世論調査」(平成30年3月実施)によると、「カタカナ語の意味が分からず困ることがよくある」(23・8%)と「たまにはある」(59・7%)を合わせ、8割以上の人がカタカナ語に困った経験を持っている。

また、文化庁の国語審議会(現・文化審議会国語分科会)は12年12月にまとめた答申「国際社会に対応する日本語の在り方」で、「聞き手の理解に対する配慮を欠いた外来語・外国語の使用や、不必要に表現をあいまいにするような外来語・外国語の使用は望ましくない」としている。

産経新聞社内でも「カノニカル(基準的な)」「ローンチ(新サービス開始)」など、なじみの薄いカタカナ語をよく耳にする。コンピューター分野など新しい仕組みや考え方を表現するときは致し方ないとしても、微妙なニュアンスを伝えるのに日本語ほど表現力が豊かな言葉はないはずなのに…。(副編集長兼論説委員)