エリザベス英女王がテレビ演説 新型コロナ感染拡大 国民に「団結で克服」訴える

5日、ロンドンでエリザベス英女王の演説動画を見る子供(ロイター)
5日、ロンドンでエリザベス英女王の演説動画を見る子供(ロイター)

【ロンドン=板東和正】英国のエリザベス女王(93)は5日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてテレビ演説し、「私たちが強い決意を持ち団結し続けていれば、この(新型コロナによる)病は克服できる」と訴えた。英メディアによると、女王が国民向けにテレビ演説を行うのは1952年の即位後、5回目となるという。

女王は演説で、感染拡大によって「私たちの国の暮らしは混乱している」との見方を示した。女王は治療にあたる医療従事者らに「あなた方の毎時間の懸命な働きが私たちをより平時に戻るよう近づけてくれている」と謝意を表明した。

また、国民が自主隔離を強いられている現状について「多くの人々が大切な人と離れる痛みを感じている」とした上で「(自主隔離をすることは)正しいことだ」と協力を呼びかけた。「全ての国民が、数年後にこの困難にどう対応したかについて誇りを持てることを望んでいる」と強調した。女王は、自主隔離を余儀なくされていることから、即位前の第二次大戦中に、疎開した子供らに向けて演説をしたことを思い出したと述べた。

女王は演説の終盤で「より良き日は戻ってくる。また会いましょう」と語った。英BBC放送は、第二次大戦中の1940年代に国民的応援歌となった英歌手ベラ・リンの「We will meet again」の歌詞にちなんだものと思われると分析した。女王が、新型コロナの感染拡大を戦時中と同じ深刻な状況だと認識していることがうかがえる。

英メディアによると、女王はこれまで、英国が加わった91年の湾岸戦争時や97年に事故死したダイアナ元妃の葬儀前、2012年の女王の即位60年の時期などの計4回、テレビ演説を行った。

英国内の新型コロナの感染者数は6日時点で4万8千人を超え、死者数は4900人以上にのぼる。感染に歯止めがかからない状況に不安が広がる中、女王は国民を元気づけるために首相官邸と協議して演説を決めたという。