戦国武将・細川幽斎(藤孝)が築城したとされる田辺城跡にある舞鶴市田辺城資料館(同市南田辺)の彰古館の展示が3日、リニューアルされた。「細川幽斎の生きた道」をテーマにした展示を11日から公開する。NHKで幽斎の盟友・明智光秀を主人公とした大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」が放映されるなか、観光客誘致への効果が期待される。
田辺城は戦国時代、織田信長の命で丹後を制圧した幽斎が築城したとされる。当時の建物は残っていないが、昭和15年に二条城をモデルにした隅櫓が再建。平成4年には城門が約7億4千万円かけて再建され、城門は田辺城資料館、隅櫓は無料で入場できる憩いの場・彰古館として利用されてきた。
これまで彰古館では、舞鶴市が所蔵する丹後地方ゆかりの浮世絵や書籍、古文書など「糸井文庫」(市指定文化財)を紹介する展示が行われていたが、内容を変更。「足利将軍直臣の時代」「織田軍団部将の時代」「田辺の御隠居 幽斎の時代」の3テーマに分けて、幽斎の生涯を紹介するタペストリー(縦180センチ、横60センチ)計25枚などを設置した。
田辺城資料館の吉岡博之館長は「舞鶴市のもとを築いた幽斎が、どんな人かを知ってほしい」と話した。
また、城門脇には、飲料大手のキリンビバレッジが光秀の「桔梗(ききょう)紋」をデザインしたラッピング自販機を設置した。