2030年に「55万人」のIT人材が不足する日本で、アマゾンは「クラウド」の学習を推進する--「AWS Educate」はいかにして教育を変えるのか?

クラウドの教育に取り組んでいかねばなりませんが、教育機関がカリキュラムを素早く変えられないことも知っています。このプログラムでは、教育機関が授業やカリキュラムで使えるコンテンツや実習環境を提供することを目的とします。オープンライセンスに基づくため、無料で使用できます。

わたしたちが教えるのは理論ではなく、実践的な経験そのものです。学生にAWSへのアクセス権を与え、コンピューティング、ストレージ、データベースといった中核的なサービス群から先進的なものまでを組み合わせ、AWS上で迅速にプロジェクトを立ち上げることができるんです。

--クラウドコンピューティングのスキルのみを教えていくのでしょうか?

そうではありません。シンガポールの事例をお話しましょう。わたしたちがクラウドコンピューティングやテクノロジースキルを教える際に、学生が実際に学ぶのは、プロジェクト管理やコミュニケーション、デザイン、あるいは交渉のスキルについてです。どのプロジェクトにおいてもグループでの学習を取り入れているので、クラウドのスキルに加えて他の多くのスキルを学びます。

「学び」から就職まで一気通貫でサポートする

--利用環境だけではなくオンライン学習用のコンテンツを提供するんですよね。

そうです。学生向けのメインの学習コンテンツとして12のキャリアパスウェイが提供されます。最も基礎となるのが、「クラウドコンピューティング101」のコースです。たとえば、あなたが機械学習について学ぼうと考えたとき、まずはクラウドコンピューティング101を受講し、データアナリティクスを学び……そして機械学習を学ぶというように段階的に学べます。プログラムを始めた当初は28のパスウェイを準備していましたが、現在は12に集約しています。

ちなみに日本で人気のあるパスウェイは、データサイエンティストやアプリケーション開発者ですね。このキャリアパスは、IT業界やわたしたちのパートナーの「このような人を採用したい」という声に基づいています。それはアマゾンの他のサービス開発の手法と同じです。ユーザーが望んでいるものを理解したのちに、そのニーズと要件に合うものを開発する。その声にしたがって、提供するコースを改良していくわけです。

--そのキャリアパスを修了し、採用につながったケースはあるのでしょうか?

まだわたしたちの取り組みは始まったばかりですが、フィリピンではあるイニシアチヴを行ないました。350人の学生に対して4日間の研修と能力開発を行ない、わたしたちのパートナーに彼/彼女らを雇わないかと提案し、実際に採用された学生がいました。すべての学生がすぐに就職できるわけではありませんが、市場でのチャンスを得る可能性は高く、学生のためにこのような機会をつくり続けていきたいと考えています。

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