2030年に「55万人」のIT人材が不足する日本で、アマゾンは「クラウド」の学習を推進する--「AWS Educate」はいかにして教育を変えるのか?

クラウドコンピューティングはITを専攻する学生だけのものではありません。多くの学生がクラウドに関する基本的な知識をもてるように、わたしたちは「AWS Educate」のプログラムをスタートしました。

--日本でAWSを利用するクライアント数は数10万を超えています。教育の現場にも浸透していると伺いました。

いくつかの事例をお話しましょう。ある大学の研究室では、わたしたちのクラウドサービスを活用して、地震や津波が発生した際の避難経路のシミュレーションを行なっています。

多くの大学では、高性能なコンピューターを購入するための資金が十分ではありません。しかし、AWSは拡張性が高いため、まずは小規模なモデルでシミュレーションを実行し、より正確なデータが必要になった際にコンピューティングリソースを拡張すればいいんです。限られた予算内でも、高性能なコンピューティング能力を使えるのがAWSのメリットです。

これは日本国内の事例ではないですが、米国のアリゾナ州立大学では学生寮にAmazon Echoが設置されており、学生が自らAlexaスキルを開発しています。たとえば、次の授業はどこで行われるのか、大学の中にある歯医者がオープンしている時間帯はいつなのか、といった学生向けサービスを自らの手でつくり、キャンパスでの体験を改善しています。

--教育現場は保守的な印象があるので、すでにさまざまな事例があることに驚きました。

実はAWSの初期のユーザーのいくつかは、大学だったんです。先ほどお話したように、大学教授や学生が取り組みたいプロジェクトに対して、十分な資金がないことが多い。サーバーやネットワーク機器に十数万ドルを費やすことはできません。しかし、1万ドルもあればAWSを使うことができますよね。機器を購入する従来のやり方から、プロジェクトを素早く立ち上げ、小さく始めながらスケールさせる。クラウドの登場は研究の進め方を変えたんです。

「クラウドコンピューティング」のみを教えるわけではない

--2020年にリンクトインが発表した「もつべきスキルトップ10」を見ると、1位に「Blockchain」、2位に「Cloud and Distributed Computing」のスキルが選ばれています。同時にIT人材の不足も叫ばれています。AWS Educateではそのスキルギャップを埋めるために教育活動も行なっていくんですよね。。

そうですね。業界には非常に大きなスキルギャップが存在します。2018年に世界経済フォーラムが発表した雇用統計では、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、Webアプリケーション、AI、機械学習などが、業界の変化に影響を与えるテクノロジーとして位置づけられています。そのなかで最も重要なのは、クラウドです。なぜなら、クラウドはこれらのすべてに含まれるからです。

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