浪速風

志村ーっ、後ろ後ろ

大人から見ると下品な悪ふざけに過ぎず、子供の教育上よろしくない-。志村けんさんの芸は、おおむねそんな風にみられてきた。しかし、実は研究熱心で丁寧に笑いを作っていたという。好んで聴く落語家は、学究肌で知られる二代目桂枝雀さんだったとも。相通じる部分があったのだろう

▶枝雀さんによると、笑いは「緊張の緩和」で起きる。また、古典落語の下げは、聞き手がそんなアホなと突っ込みたくなる「ドンデン」「へん」、なるほどとうなってしまう「謎解き」「合わせ」の計4つに分類できるという(ちくま文庫「らくごDE枝雀」) 

▶舞台後方から迫る幽霊。だが志村さんは気付かず、客席の子供たちが「志村ーっ、後ろ、後ろ」と大声を上げる。緊張が徐々に高まり、志村さんが幽霊と鉢合わせして腰を抜かしたところで爆笑。冷めた見方をすれば、計算尽くのマンネリだ。でも放送されたら、また笑ってしまうんだろうな。もう大人なのに。