朝晴れエッセー

懐かしき邂逅(かいこう)・4月1日

「ん!んんん?」。仕事から帰宅して、ゆっくり朝刊の特集記事を読んでいたときのこと。すぐ4歳上の姉に「私たちの通っていたスイミングに〇〇さんって親子いなかった? お母さんの名前って…」と、フルネームをLINEで送ったところ、「いたいた。懐かしいね」と返事が返ってきました。

「95歳のシニアマーメイド」の記事。私が小学生の頃に通っていた水泳教室の先生。まさかこんな風にお会いするなんて!

有名なスイミングクラブではなく、私たちのところは「水泳教室」。おばあちゃん先生がたくさんおり、速さよりも型やしつけを厳しく教えられました。プールの塩素の匂い、プールサイドのもわっとした空気。一気にあの頃が蘇(よみがえ)りました。

私は競泳とともに、日本古来の「日本泳法」も先生に習いました。日本泳法では、立ち泳ぎをしながら扇子に筆で文字を書く演技がある。扇子が開かず、焦って泣きそうになったこと。成人の日に逗子海岸で泳いだ寒中水泳。熱々のお汁粉で生き返ったこと。涙が出るほど、懐かしく思い出しました。

先生、ごめんなさい。当時は、今の私よりお若かったんですね。せめて、おばちゃん先生とお呼びしなければ。私は大人になってもたまに泳いでいましたが、そういえば、ここ数年は泳いでいませんでした。

何だか、泳ぎたくなってきました。でも、「まだ泳げるかな?」という心配はありません。今でもきれいに泳ぐ自信があります。先生たちに、そうみっちり仕込まれましたから。

有馬由佳(55) 東京都品川区