話の肖像画

台湾元総統・陳水扁(69)(7)民主化へうねり 政界「3剣客」

《翌81年9月、美麗島裁判の弁護士仲間の謝長廷氏から「一緒に台北市議選に出ないか」と誘われた。民主派陣営は主要な選挙区に全て候補を出そうとしたが、東区から出る人がいないので声をかけたという》

少し迷ったが、服役中の黄氏らの意志を私が引き継ぐべきだと考え、承諾した。しかし投票は2カ月後。当選には1万票以上が必要とされる。妻と2人で選挙区内の知り合いを数えたら約100人しかいなかった。

無我夢中で選挙区内を走り回った。ふたを開けてみたら約2万4千票でトップ当選。有権者は独裁政権と戦ってくれる人に心から期待していることを実感した。当時の台北市議会では、国民党は圧倒的多数を占めていた。私と謝氏、それに民主化活動家出身の林正傑氏の3人は常に行動をともにし、当局と対決した。市議会の質問では国民党関係者の特権などを次々と暴いて連日のように新聞に取り上げられ、いつしか「3剣客」と呼ばれるようになった。(聞き手 矢板明夫)

(8)へ進む

会員限定記事会員サービス詳細