平成29年7月の九州北部の豪雨で被災し、福岡、大分両県の一部区間で不通が続くJR日田彦山線について、福岡県議会は27日、沿線自治体の地域振興のための基金設立などを同県に求める決議を可決した。小川洋知事は報道陣に「沿線の地域振興の予算を、基金も含め検討したい」と述べた。
決議は県議会の主要4会派が提案した。議会の立場として「住民に寄り添った地域振興に取り組む」と明記。県に対し「長期的かつ安定的に継続するため、振興基金などの確実な財源を確保するよう求める」と要望した。
日田彦山線をめぐっては添田(同県添田町)-夜明(大分県日田市)間が不通になっている。小川知事は25日の福岡県議会予算特別委員会で「3月中に方針を決めるのは難しい」と述べ、月内としていた復旧方式の決断を先送りにする考えを表明。議会と足並みをそろえて地域振興策を考える姿勢を示している。
JR九州と沿線自治体は、バス高速輸送システム(BRT)に転換する方向で調整を続けるが、福岡県東峰村が一貫して鉄道復旧を求めている。