政府は26日発表した3月の月例経済報告で、国内景気の判断について平成30年1月から維持してきた「緩やかに回復している」との表現を下方修正し、「足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」と改めた。「回復」の文言を削るのは6年9カ月ぶり。新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気悪化が20年のリーマン・ショックに匹敵する深刻さだと認めた。
西村康稔経済再生担当相は26日の記者会見で「これまでの緩やかな回復基調は明らかに転換し、下方局面に入っている。今回、そうした強い危機感を現した」と指摘。景気が後退局面に入ったことを示唆した。
月例報告は景気判断に関する政府の公式見解を示す報告書。基調判断では景気の先行きについて、「感染症の影響による厳しい状況が続くと見込まれる」と指摘した。また、株価が乱高下を繰り返す金融資本市場の変動について「注視する必要がある」と明記した。
景気判断で「厳しい状況にある」との表現を使うのは、東日本大震災の影響で景気が低迷していた24年7月以来。ただ、基調判断では直近の景気後退局面(24年4~11月)で用いた「弱い動き」などの表現は見送り、景気が後退局面に入ったかの判断は保留した。