ヒューリック杯棋聖戦決勝T

菅井八段が8強進出、準々決勝で藤井七段と激突

第91期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント1回戦で行方尚史九段を破り、準々決勝進出を決めた菅井竜也八段。次戦は藤井聡太七段と対戦する=20日、東京・千駄ケ谷の将棋会館
第91期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント1回戦で行方尚史九段を破り、準々決勝進出を決めた菅井竜也八段。次戦は藤井聡太七段と対戦する=20日、東京・千駄ケ谷の将棋会館

 将棋の渡辺明棋聖(35)=棋王・王将=への挑戦権を争う第91期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント1回戦、菅井竜也八段(27)-行方尚史九段(46)戦が20日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指され、先手の菅井八段が135手で勝ち、準々決勝進出を決めた。菅井八段は次戦、ベスト4進出を懸けて、史上最年少タイトル挑戦・獲得が懸かる藤井聡太七段(17)と激突する。

 菅井八段は岡山市出身。井上慶太九段門下で平成22年、四段プロデビュー。タイトル戦登場は2回で、獲得は王位1期。2回の棋戦優勝を果たしている。通算成績は319勝137敗(勝率7割)で、今年度は29勝14敗(同6割7分4厘)。今期の棋聖戦はシードにより、決勝トーナメントからの登場となる。

 一方、行方九段は青森県弘前市出身。故大山康晴十五世名人門下で5年、四段昇段。タイトル戦登場は2回で、棋戦優勝は2回。通算成績は647勝414敗(同6割1分)、今年度は23勝12敗(同5割9分3厘)。今期は2次予選からの参加で、田村康介七段(44)、高崎一生六段(33)、決勝で藤井猛九段(49)を破って決勝トーナメント進出に駒を進めた。

 両者の対戦成績は8回あり、菅井八段の6勝、行方九段の2勝。本棋戦では第86期の決勝トーナメント1回戦で対戦し、菅井八段が勝利している。

 本局は振り駒の結果、先手は菅井八段。午前10時に対局が始まり、角交換に進んだ。振り飛車党の菅井八段が本局も飛車を8筋に振って穴熊に、行方九段は左美濃にそれぞれ組み上げた。菅井八段はほとんど時間を使わず、攻撃を仕掛けると、行方九段は龍を受けに使うなど自玉の守りを強化。ここから行方九段が反撃を見せ、先手玉に迫った。しかし、最後は菅井八段がうまい差し回しで逃げ切り、午後5時10分、行方九段が投了した。

 持ち時間各4時間。残り時間は菅井八段2時間41分、行方九段1分。

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