ヒューリック杯棋聖戦決勝T

佐藤天九段がベスト8進出、船江六段を破る

 将棋の渡辺明棋聖(35)=棋王・王将=への挑戦権を争う第91期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント1回戦、船江恒平六段(32)-佐藤天彦(あまひこ)九段(32)戦が19日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指され、後手の佐藤九段が166手で勝ち、準々決勝進出を決めた。佐藤九段は次戦、ベスト4進出を懸けて、丸山忠久九段(49)-郷田真隆九段(49)戦の勝者と戦う。

 船江六段は兵庫県加古川市出身。井上慶太九段門下で平成22年、四段プロデビュー。棋戦優勝は2回。通算成績は235勝132敗(勝率6割4分)で、今年度は23勝12敗(同6割5分7厘)。今期の棋聖戦は2次予選から出場。村山慈明(やすあき)七段(35)、大橋貴洸(たかひろ)六段(27)、糸谷哲郎八段(31)にそれぞれ勝って決勝トーナメント進出を決めた。

 佐藤九段は福岡市出身。中田功八段門下で18年、四段昇段。タイトル戦登場は6回で、獲得は名人3期。棋戦優勝は4回。通算成績は362勝184敗(同6割6分3厘)で、今年度は16勝20敗(同4割4分4厘)。今期の棋聖戦は決勝トーナメントからの登場だ。

 両者の対戦はこれまで2局あり、佐藤九段が2連勝している。

 本局は振り駒の結果、船江六段の先手で、午前10時に対局が始まった。序盤はお互いに駒組みが続き、佐藤九段は右玉に構えた。2筋、3筋でせめぎ合いとなり、その間に船江六段は自玉を安定させ、うまく攻め駒をさばいた。船江六段が徐々に形成を良くし、リードを広げた。

 しかし、佐藤九段が持ち時間の4時間を使い切り、1分将棋となりながらも脅威の粘りを発揮。1分将棋となった船江六段も後手玉に迫るが、入玉に成功した佐藤九段が逃げ切り、午後8時28分、船江六段が投了した。

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