瀬戸大橋が年中ライトアップできなかった理由

瀬戸大橋が年中ライトアップできなかった理由
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 本州と四国を結ぶ瀬戸大橋のライトアップの日数が4月から大幅に増える。これまで年間の点灯時間や点灯日数を定めたガイドラインに基づいて運用されていたが、橋を管理する本州四国連絡高速道路(神戸市)と岡山、香川両県が昨年、検討委員会を設置し議論。毎日点灯する方針をまとめたのを受け、ライトアップの拡大を決定した。令和2年度は年間364日点灯する。両県の観光振興にもつながりそうだ。

年間300時間以内

 昭和63年に開通した瀬戸大橋は、岡山県から香川県の海峡部に架かる6つの橋からなる。夜になるとライトで照らされ、雄大な姿が浮かび上がる。ただ、ライトアップは週末が中心で、令和元年度は年間136日。神戸市と淡路島を結ぶ明石海峡大橋が毎日点灯しているのとは対照的だ。そこには、理由があった。

 瀬戸大橋が位置するのは、瀬戸内海国立公園の中でも、とりわけ景観の保全が求められる「特別地域」。このため、同社と環境省が平成9年に定めたガイドラインに沿ってライトアップが続けられてきた。ガイドラインでは、年間の点灯時間の上限を「300時間以内」、点灯日数を「80日以内」(当初は70日以内)としていた。

 ライトアップ目当ての人が集まれば、観光面での効果が期待できる。岡山、香川両県が日数や時間の拡大を要望していたこともあり、橋の開通30周年だった30年度には点灯日数が123日に、令和元年度は過去最多の136日となった。ところが、300時間以内の制限を厳守したため、1日あたりの点灯時間は短くなっていた。

経済効果48億円超

 ライトアップの拡大に向けて動きがあったのは昨年7月。同社は岡山、香川両県とともに、有識者でつくる「瀬戸大橋橋梁(きょうりょう)照明の在り方検討委員会」を設置。環境省もオブザーバーとして参加し、会合を重ねた。

 検討委は、観光や自然保護、天文関係者からも意見を聞いた上で、昨年12月に「毎日点灯を基本とする」とする基本方針をまとめた。調査の結果、懸念された天体観測や渡り鳥の飛来への影響はないと結論づけた。