御嶽海、自慢の押し相撲で3連勝 三役復帰目指す

【大相撲三月場所】三日日、○御嶽海(おしだし)正代×、途中で攻める御嶽海(左)=エディオンアリーナ大阪(撮影・林俊志)
【大相撲三月場所】三日日、○御嶽海(おしだし)正代×、途中で攻める御嶽海(左)=エディオンアリーナ大阪(撮影・林俊志)

 御嶽海は左を差しながら前に前に攻めた。正代に土俵際で回り込まれても冷静についていく。休むことなく右からおっつけ一方的に押し出した。「自分の相撲を取れた。しっかり腰を割れた」。昨年1月の初場所以来となる初日から3連勝だ。

 大関に最も近いといわれてきたが、期待に応えられないまま27歳になった。17場所連続で務めた三役の座も明け渡し、ここ2場所は平幕に甘んじている。年下の朝乃山に注目は移り、影がやや薄くなってしまった。

 「また一からやるしかない。自分の相撲を見つめ直す」。初心に帰り、稽古では持ち味である「押し」を磨いてきた。3日目まではすべて、押し相撲で相手を圧倒。理想とする内容で、危なげなく白星を並べている。

 本場所中も夜は外食で英気を養うのがルーティン。しかし、今場所は新型コロナウイルスの影響でそれができない。代わりに、午後10時の消灯まで部屋の若い衆とトランプをして時間をつぶしている。「和気あいあいとやれているからね」と良いリフレッシュになっているようだ。

 2度の優勝を経験するなど実績は申し分ない。勝ち込めば気持ちも乗ってくるタイプだ。「しっかり上を目指して頑張りたい」。異例の場所で主役に躍り出る可能性を秘めている。(浜田慎太郎)

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