監禁か療養か…現代版「座敷牢」めぐる事件、12日に判決

小屋は30万円で自作

 弁護側によると、愛里さんは昔から自閉症の特性があり、17歳で統合失調症の診断を受けた。誕生日にホールケーキを一人で全部食べてしまうなどの食へのこだわりがあったほか、幼少期から服を嫌がったり、幻覚や幻聴を起こしたりしていた。プレゼントされたインコを水につけて一晩で死なせたこともあった。

 両被告によると、小屋に入れる前は、母屋から離れた簡易部屋で愛里さんを過ごさせた時期もあった。しかし全裸で外に飛び出したり、道路の音が刺激になったりしたため、防音に優れた窓のないプレハブ小屋に移したのだという。

 簡易トイレのある小屋の広さは約2畳。泰孝被告がホームセンターのカタログを見て約30万円で自作した。「快適に過ごしてほしかった」(同被告)と、小屋にはクラシック音楽を24時間流し続けていた。

 弁護側はこうした経緯を挙げ、小屋での生活は「医師の指示に従い、狭い場所が好きな愛里さんの希望に沿ったもの」と述べた。

理想と隔たり?

 対する検察側の認識は、真っ向から食い違う。

 法廷では、由加里被告が次女(愛里さんの妹)に送ろうとした携帯電話のメモの内容が読み上げられた。

 《(次女は)親の喜びを教えてくれ、お姉ちゃんは親の痛みを教えてくれた》《殺してしまうことも考えた》

 両被告は理想通りに育たない愛里さんに愛情を持てず、同じ空間で生活したくないと思っていた-。検察側はこう指摘した上で、行為は監禁にほかならないと主張する。