事件の真相は監禁か、それとも療養か。大阪府寝屋川市の自宅プレハブ小屋で10年以上、精神疾患のある長女=当時(33)=を監禁し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた両親の裁判員裁判は、12日に大阪地裁で判決が言い渡される。公判では長女が約2畳のプレハブ小屋で生涯を終えるまでの詳細が明らかにされたが、監禁罪などの成立を訴える検察側と、療養行為を主張する弁護側は真っ向から対立している。
「愛情」強調
「滑稽で奇妙な性格だったが、かけがえのない存在だった」
「私たちの宝」
死亡した柿元愛里さんの両親の泰孝(57)、由加里(ゆかり)(55)両被告は、法廷で愛里さんへの思いを聞かれ、こう述べた。
愛里さんは平成29年12月に死亡したが、2人はすぐ通報せず、5日後に出頭した。「連れていかれるのが嫌で、一緒にいたかった」と由加里被告。娘に愛情を持って接してきたと強調した。
起訴状によると、両被告は愛里さんを19年3月頃からプレハブ小屋に監禁し、十分な食事を与えず凍死させたとされる。発見時の愛里さんは体重19キロだった。